秘境巡り:前編

月、火と有給がとれたので、毎度の奥さん拝み倒しで1泊のツーリングに出かけることにした。
行き先は前から行ってみたかった秘境秋川郷。奥志賀と苗場と野沢温泉の三角地帯の真ん中と言えば立地がわかりやすいかな。本当は志賀から奥志賀林道経由で行きたかったが、冬期通行止めが5/29までらしく断念。渋峠は開通しているのになぁ。
とはいえ、往路はこれまた秘境奥只見経由で、復路は渋峠ビーナスライン経由で帰ることにした。往復で1,000km弱のなかなかのツーリングになりそうだ。実は奥只見へ通じる352号が通行止め解除になっているかどうかは、渋峠が大丈夫なら行けるだろうと思い、確認するのを怠っていたのだった。
予定のコースはこんな感じだ。

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ところが予報では会津、新潟は夕方まで雨。仕方がないので予定と逆回しのコースで向かうことにした。
出発すると、さ、寒いじゃないの!いくら悪天候だっていっても、もう5月だよねということで春秋用のライディングジャケットで来てしまっていた。八ヶ岳PAで一服しているとき、今日の宿から電話が入った。何だろうと思って電話に出ると、「こっち吹雪いているけど、本当に来るの?」なんておっしゃる。マジですか…。本気で帰ろうかと悩んでしまったよ。

寒々しい八ヶ岳。泣きそうだ。
 
気を取り直して走行再開。ちょうど良いペースのトラックが居たので、スリップストリーム作戦で暖を稼ぎ、何とか南諏訪ICまで走りきった。ここまで来れば標高が上がるとはいえ、のんびり走ればなんとかなるだろうと前向きに考えることにした。
ところが、152号に入ると白樺湖は激寒。霧ヶ峰は寒そうな雲にすっぽり包まれているので、楽しいビーナスラインは泣く泣く諦めることにした。結局上田まで直行だ。

うらぶれた雰囲気で二重に寒い。
 
上田を経由して志賀へ向かう途中、砥石城跡の看板を見かけた。確か険峻な山頂に位置していると記憶していたので、山登りで体を温めるため寄り道した。しかし、戦国時代の城をなめていたことを思い知らされた。武田信玄が攻めきれなかったのも納得だ。

なんですかこの階段は。

頂上の郭手前は岩場。

眺めは良かった。上田市街を一望。
 
すっかり体も温まったので、鳥居峠経由で志賀に向かう。万座ハイウェイを快調に走ってゲートに着くと、ゲートのおじさんが宣った。
おじさん「渋峠、チェーン規制だよ。」
俺   「………やっぱり、ダメ?」
おじさん「ダメ!さっきまで雪で通行止めだったんだから。開通したんだけど申し訳ないねぇ。」
俺   「ウッウッウッ」
 
諦めて、菅平へ逆戻り。こうなりゃ須坂まで出て高速乗っちゃる。
 

菅平、良い天気なんだけど寒い。
 
豊田飯山ICで降りて、野沢温泉方面へ。野沢温泉2ヶ月前にも来たが、今日の方が寒い気がする。そんな訳はないが。
津南に入り、ようやく最後の道、分断酷道405号へ。いや〜凄いよこの道。ホント秘境だ。正面に苗場山が見えてくると、やっと気分が良くなってきた。

大井川上流を思い出す。

秘境らしくなってきた。

気分が良くなるとバイクを撮りたくなる。

もうすぐ到着。
 
途中、景色を眺めたり、撮影したりと寄り道しまくりだったので、予定の16:00着から15分程遅れて到着。噂通りワンコが出迎えてくれて、思わずニヤけてしまった。


到着。鳥甲山の真下です。
 
今日の宿は和上温泉の一角。人の良さそうなご夫婦経営だ。表だっては廃業しているとのことだったので、屋号は控えておく。施設は古びているが、これまで来た温泉宿の中でもベスト5に入る宿だと寝る頃に実感した。
理由は下記の通り。

  • 立地が凄い。津南より野反湖の方が近いなんて。
  • 鳥甲山と中津川を望む露天風呂が素晴らしい。
  • 女将さんの料理が凄い。山菜だらけ。ウドの刺身なんて初めて食べた。岩魚も天然物がたくさん釣れるそう。
  • 親父さんが、俺の親父と同じ歳だ
  • 酒代をまけてくれた(笑)


夜はランプ風の照明でバッチグーです。

2時間近く入ってしまった。
 
他の客は栃木から一人で来た20代の女の子が居た。若いのに一人で温泉巡りをしているなんてなんか変だぞ。その娘は日本酒クイクイの凄い酒飲みだったが、朝、まだ顔が真っ赤だったのには笑った。そのクイクイ呑んでいた日本酒だが、麒麟山酒造の「ぽたりぽたりきりんざん」という純米吟醸新生原酒という初めて呑むお酒だった。親父さんにごちそうになったんだけど、これ旨いよ。今回は荷物を持って帰れないので買わなかったが、さっき調べたら限定品だけどネットで手に入るね。取り寄せようかな。
 
[rakuten:sakesawaya:10000212:detail]
 
行者大蒜とウドを肴に呑みながら、親父さんから群馬の山菜採りの悪行や、長野原の人が野反湖から徒歩で405号開通の陳情に来ているとかいろんな話を聞いた。親父さんは話題が豊富で時間を忘れるね。
夜中にもう一度露天風呂へ。星降る露天風呂だった。部屋に戻ってテレビを見ていたらいつの間にか寝てしまった。
 
後編に続く