飛行機での放射線の被曝量ってどのくらいだろう

以前、チェルノブイリを探検したロシアの女性のWebサイトがあったことを急に思い出した。
原子炉の側までガイガーカウンター片手にバイクで突撃し、レポートするというとんでもない内容だった。
そこに書かれていた、旅客機に乗る際に浴びる放射線の被曝量について急に気になり、
あれこれ調べてみることにした。
  
 
日本人の平均被爆量はJAEによると、年間1ミリシーベルト
これには、宇宙線、地面や岩石からの放射線の他にも食物からの放射線も含まれる。
岐阜など中部地方には大地からの放射線量が多いところもあるが、おおむね平均的な数値。

それに対して、人間の被爆の許容量は年間50ミリシーベルト
人間の致死量が7シーベルトと言われている。
まず心配する必要はないだろう。
余談だが、鶏の致死量はこの2.5倍で、ゴキブリはなんと100倍になるそうだ。
 
さて問題の旅客機。
 
成層圏を飛行する旅客機には宇宙からのガンマ線が降り注いでいるのだが、
ある調査によると、地上では0.1マイクロシーベルト/時であったのが、高度を上げるにつれてみるみる増加。
高度一万メートルを超えるあたりで、2.0マイクロシーベルト/時になっていた。という結果が出ていた。
その数値地上の20倍!
 
東京とニューヨークを往復する程度で、およそ0.2ミリシーベルト被爆量。
年間6,000時間以上飛行機に乗らない限り、許容量を突破することはないようだが、
給料が良いと言われるパイロットの方は、もっと給料をもらった方が良いかもしれない。
 
とはいえ、いろいろ調べてみるとこんな被爆量に関するデータもあった。

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○神奈川から岐阜への移動での被爆量:0.4ミリシーベルト
○胃のX線撮影による被爆量:0.6ミリシーベルト
○胸部CTスキャン被爆量:6.9ミリシーベルト

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どれも、飛行機より多い…。
胸部CTスキャン7回で許容量到達してしまう…
 
他にも、

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10ミリシーベルト被爆した場合には、白血病発生率が2、2%増加し、甲状腺ガンは1,0%、
乳ガンは3,3%の増加するという報告がある。
ちなみに東海村の事故現場から200メートル離れた地点では13ミリシーベルト放射線が観測されている。
東海村の事故で亡くなった方は、17シーベルト被爆量で、即死と言われる被爆量の2.5倍の放射線を受けた。

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やはり、少しでも被爆してしまうと問題があるようだ。付近の方はその後大丈夫なのだろうか。


飛行機の被爆量に対する興味から、ちょっと調べただけで、知らなかったことばかり。
まだまだ、放射線放射能に関する情報は少ないな、と実感した。

飛行機の被爆量については、高度一万メートルでもこうなのだから、
大気のありがたい保護が受けられない宇宙ではどうなのだろうか。
宇宙服には当然防護措置が施されているだろうが、毛利さんや向井さんなど宇宙に行った方々は大丈夫?
宇宙旅行は経済的以上に高い旅行かもしれない。
 
飛行機もマイルだけじゃなく、放射線の被曝量もどんどん貯まっている…。
 
 
参考:チェルノブイリに行ったElenaさんのサイト
   http://www.elenafilatova.com/